栗/クリ

栗/クリの概要

クリは堅実類であり、果皮は硬く、その内部には大きくなった種子を含有し、ブナ科栗属の植物をまとめて栗と称します。日本で見られるのは日本栗(にほんぐり)ですが、他にも中国栗(ちゅうごくぐり)、アメリカグリ、ヨーロッパグリがあり、いずれも温暖な地域に生息しています。国内では縄文遺跡からくりが発見されており、日本書紀や古事記、万葉集などにもその記録が残っています。おそらく食用としてこの頃からくりが栽培されていたと推測されています。また、現在の基本種はシバグリとされ、朝鮮半島南側から九州、北海道に至って自生しています。そのため、日本くりの原産地は朝鮮半島の南部から日本に渡る範囲と考えられています。仲間となる種類では、シバグリをはじめ、中国クリ、筑波(つくば)、銀寄(ぎんよせ)、利平(りへい)が知られています。シバグリは、品種改良の基礎となっているもので、日本国内の山野に見られます。中国クリは天津甘クリの材料にされているもので、甘クリとも称されます。渋皮が剥離しやすく、日本のものに比較すると強い甘味を持ち、小形です。筑波は、強い甘味と共に優れた芳香性を持ち、生産量も多くなっています。質の良い果実は粉質で形成されています。銀寄も質の良い果実を持ち、強い甘味が特徴です。江戸時代から名の通っているクリでもあります。利平は渋皮が剥離しやすく、大形の果実を持っています。日本と中国の雑種です。

クリ/期待される効能・効果

高血圧や糖尿病、感染症の予防にくりが有用とされます。また、細胞の老化を防いだり、癌の発生を抑えたりする働きもあるとされます。更に、疲労の回復や抗菌の働き、美肌効果などもあると考えられています。くりに含有される成分では、タンニンやビタミンC、カリウム、ビタミンB1、ビタミンE(γのみ。αは0mg。)などがあります。タンニンはポリフェノールの仲間であり、渋味成分でもあります。抗酸化物質であることから、癌の予防に有用とされます。また、殺菌の働きがあると言われており、細菌やコレラ菌だけでなくインフルエンザウイルスにも有効と言われています。その他、血糖値やコレステロール値を減少させる作用があると言われていますが、これは糖質や脂肪が体内へ取り込まれるのを邪魔する働きあるとされるところに由来します。ビタミンCは抗酸化物質であり、癌の抑制の他、美肌にも有用とされています。カリウムは体内の余分なナトリウムを体外へ排泄するのを促す働きがあると言われています。ビタミンB1は疲労回復に有用とされます。ビタミンEは抗酸化物質であり、細胞の老化や脂質の酸化を防ぐ働きがあると言われています。