糠漬け/ヌカヅケ

糠漬け/ヌカヅケの概要

糠床の製造方法は江戸時代の文献に見られ、一般に知られていたものと考えられています。前身となった糠味噌漬けは、平安時代の文献に見られます。これは葉菜などを漬け床に漬けた物で、漬け床は塩ととダイズが混ぜ合わされていたものと考えられています。種類では燻りたくあん、日野菜漬け(ひのなづけ)、沢庵付け(たくあんづけ)、津田カブ漬け、生漬け沢庵、干し沢庵などがあります。燻り沢庵は、ススで大根が変色したものをヌカヅケにしたもので、大根は囲炉裏上に吊るして茶色くします。日野菜漬けは、カブをヌカヅケしたもので、上側が赤紫っぽくなっているカブを用います。名称は用いるカブが滋賀県日野産のものであることに由来します。また桜漬けと呼ばれるものは、これを薄く切って酢漬けにしたもので、桜を連想させる赤っぽい色は、酢の添加による反応です。沢庵漬けは、漬け床に干した大根を漬けたものです。漬け床は塩と米糠を混ぜており、名称は沢庵と呼ばれる禅僧に因んでいると言われています。津田カブ漬けは島根県で生産されており、津田蕪を用いています。尚、糠漬けは別名で、どぶ漬け、どぼ漬け、糠味噌漬け(ぬかみそづけ)とも言われます。

糠漬け/期待される効能・効果

糖尿病や動脈硬化の予防にヌカヅケが役立つと言われています。また、便秘や貧血、味覚の働きを保つのを改善する作用があるとされます。更に細胞の老化を防ぐ働きもあると考えられています。含有されるヌカヅケの成分には、食物繊維や葉酸、鉄、亜鉛、カリウム、ナトリウムなどがあります。また、生の蕪に比較すると、ビタミン類であるパントテン酸や葉酸、ナイアシン、ビタミンB6などの含有量が多いと言われています。食物繊維は腸内環境を調節する作用があると言われており、腸内善玉菌の繁殖を活発化させ排便量を増加させると考えられています。葉酸は蛋白質及び細胞新生に要するDNAやRNAといった核酸の合成に関わっています。また、赤血球を新たに生成するために必要な成分であることから、造血のビタミンとも呼ばれています。鉄はヘモグロビンなどの構成成分であり、且つ筋肉内のミオグロビン蛋白質の構成成分でもあります。また、細胞の酸素吸収やその運搬にも関わっています。亜鉛は蛋白質及びDNAの合成に関わっており、且つ様々な酵素の構成成分でもあります。カリウムは体内の余分なナトリウムを体外へ排泄する作用があると言われており、高血圧の予防に有用とされます。