分葱/ワケギ

分葱/ワケギの概要

ワケギの名前は、鱗茎(球根)の株分れによって増殖することからつけられたとされています。種子はありません。五世紀頃に日本へ伝わったと言われていて、分葱の原産地はシベリア地方と考えられています。もともとは、分球型の玉葱と葱の雑種から生じたと考えられていて、群をなして細く、高さ三十センチ程度のものが何本も生えます。分葱は夏に葉が枯れて、その後鱗茎は休眠に入ります。別名では冬葱(ふゆぎ)とも呼ばれていて、新しい葉が冬の間に伸長し、その際、幾つかの鱗茎が増加します。江戸時代において冬の野菜として広く普及していたと考えられており、調理では、香辛野菜として未熟な分葱の葉茎と鱗茎を食用にします。利用法では、吸い物や薬味といったものに使われています。西日本各地で古くから栽培されてきた経緯があり、現在でも広島県が主産地となっています。また、ひな祭りのぬたに縁起ものとしても利用されており、子孫繁栄を願います。尚、関東に於いて流通しているワケネギも分葱と呼ばれる葱の一つで、しばしば誤解を招いています。

ワケギ/期待される効能・効果

ワケギは、緑黄色野菜で、カロテンを多く含みます。カロテンは体内で、必要量だけビタミンAに変換され、その抗酸化性によって抗ガン、老化防止に期待されています。また、粘膜や皮膚を健康に保つ働きもあるとされています。その他、カルシウム、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、ビタミンC、食物繊維などの栄養素も多く含みます。