煮干/ニボシ

煮干/ニボシの概要

もともと江戸時代に高価な品として出回っていた鰹節(カツオブシ)の代用品として使われていたそうです。当時、鰹節に注目が寄せられた際、庶民の間でこれに変わるものとして煮干に興味が集まったと言われています。起源は四国や九州沿岸の黒潮に沿った地域と考えられています。種類では、煮干鰯(ニボシイワシ)や煮干桜海老(ニボシさくらえび)、白子干(しらすぼし)、干し海鼠(ほしなまこ)があります。煮干イワシは、ダシに用いられている種類で、小ぶりのウルメイワシやマイワシ、カタクチイワシといったものが原料となります。塩水を使って煮た後、乾燥させたものです。にぼし桜海老は、駿河湾がある静岡県で知られており、材料はサクラエビを用います。白子干は関東での呼び名ですが、関西では縮緬雑魚(ちりめんじゃこ)と呼ばれています。カルシウムの補給源として優れており、一般に丸ごと食されます。材料はマイワシやカタクチイワシの稚魚で、これを塩水煮して干したものです。干し海鼠は、高級食材の一つとして中国料理の領域で用いられています。ナマコの内臓を除去した後、乾燥させたもので、スープなどに利用されています。

ニボシ/ニボシ/期待される効能・効果

貧血を改善したり、骨を丈夫にする働きがあると言われています。また、血栓の形成を抑えたり、脳の働きを保つのを改善する作用があるとされます。その他、動脈硬化や高血圧の予防に有用とされます。含有される成分には、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA/IPA)、イノシン酸などがあります。ドコサヘキサエン酸は脳細胞を活発化させ、記憶力を高める作用があると言われていることから、老人性認知症の改善に役立つと考えられています。また、癌やアレルギーの発生を防いだり、コレステロールを減少させる働きもあると言われています。エイコサペンタエン酸はDHAより強い抗血栓作用やコレステロール低下作用があると考えられています。また、血行を改善する作用があると言われていることから、動脈硬化や高血圧を防ぐのに有用とされます。イノシン酸は新陳代謝に必要とされる成分であり、細胞を形成するのにも関与していると考えられています。核酸系に属する旨味成分であり、動物由来の食品に広く分布しています。