カラントの概要
カラントは径数ミリの小さな実がなる果実で、それらが集まって房状を形成しています。房すぐりは和名での呼び名で、欧米では広く普及している果物です。カラントの仲間となる種類では、ブラック、レッド、ホワイトカラントがあり、ブラックカラントはその名の通り、黒色で小さな実を形成しています。別名ではカシスと言われています。ホワイトからんとは白っぽい桃色をした実をつけますが、もともとはレッドから分派したものとされます。カシスはリキュールの原料にしたり、葡萄と混ぜたジュースなどに使われます。また、カシスやレッドからんとはソースといった利用形態で肉料理に使われています。ホワイトは加工品として果実酒やジャムなどに使われています。
からんと/期待される効能・効果
からんとに含有される成分では、ビタミンCなどがあげられます。この成分はアスコルビン酸と呼ばれているもので、アルカリや酸、空気、熱などに不安定を示します。白色結晶であり、一般には一日100ミリグラムの摂取量が基準とされています。当該成分は、蛋白質であるコラーゲンの合成に必要であり、コラーゲンは結合組織である軟骨や腱、皮膚を作る上で重要な物質です。皮膚だけでなく骨の健康な状態を保ったり、損傷を受けた部分を修復するのに必要不可欠な成分でもあります。また、体の中で様々な化学反応に関わっていて、腸管において鉄の吸収作用を向上させたり、副腎皮質ホルモンの合成を促したりする働きもあると言われています。この副腎皮質ホルモンは抗ストレス作用を有します。その他、抗酸化作用が高いため、過酸化脂質が発生するのを防ぎ、延いては心筋梗塞や動脈硬化、脳卒中などの予防に有用とされ、加えてニトロソアミンと呼ばれる発癌性物質が生じるのを抑える作用もあるとされます。このため、抗癌作用にも注目されています。尚、壊血病はビタミンC不足から生じる疾患ですが、毛細血管が弱くなって皮下出血や歯茎からの出血をきたします。また当該成分の不足から子供においては発育不良が生じることもあります。