バルサミコ酢の概要
バルサミコ酢が広く普及したのは最近のことですが、十一世紀頃の記録では酢を樽で熟成させたとするものがあります。いわゆる果実酢のことで、煮詰めたブドウ果汁を酢酸発酵させ熟成させたものです。バルサミコ酢の正式名はアチェートバルサミコで、特産地は北イタリアです。樽には桜の木やカシ、クリなどの木材が用いられており、バルサミコ酢の熟成は最低でも三年以上必要とされます。種類では、バルサミコトラディツィオナーレやエクストラヴェッキオがあります。前者は品質基準が厳格で、熟成期間に十二年以上必要とするなど、いくつか規制されています。後者はそれよりも更に長い熟成期間を要するタイプです。
バルサミコ酢/期待される効能・効果
動脈硬化や癌を防ぐのにバルサミコ酢が有用とされます。含有されるバルサミコ酢の成分には、ポリフェノールや鉄、カリウム、マンガン、カルシウムなどがあります。ポリフェノールは赤ワインで広く知られるようになった代表的なフィトケミカルです。この成分はほぼ全ての植物に認められる成分で多彩な種類があります。抗酸化物質であり、活性酸素の害悪を封じ込めて、無害化する作用があると言われています。鉄はミオグロビンと呼ばれる筋肉内の蛋白質やヘモグロビンの構成成分になっています。機能鉄と称されるのはこの種類の鉄であり、酸素を全身に運搬する大切な役目を持っていると言われています。カリウムは細胞中の酵素反応をコントロールする作用があると言われており、エネルギー代謝を円滑にし、細胞が適正に活動できる状況を作り上げていると考えられています。また、腎臓でナトリウムが再度取り込まれてしまうのを阻害し、その排泄を促す作用があると言われています。このため、血圧低下作用があると考えられており、延いては高血圧の予防に役立つとされます。マンガンはスーパーオキシドジスムターゼと共に酵素成分となっている他、骨の発育にも関与していると考えられています。カルシウムは細胞内外のカルシウム濃度差を活用して、細胞の働きをコントロールしていると考えられています。また、体外へナトリウムを排出させ、血圧が上がってしまうのを抑える作用があるとされます。その他、骨や歯を作ったり、神経機能をコントロールする作用があると言われています。