鰡/鯔/ボラ

鰡/ボラの概要

ハクは稚魚の呼び名で、オボコは幼魚の呼び名です。イナは全長二十五センチ前後になった場合の呼び名で、ボラ(鰡・鯔)は三十センチに達した場合の名称です。出世魚であり最終的にはトド言われるようになりますが、この名称になると全長は四十センチを超えています。とどのつまりという言葉は、この最終呼び名であるトドに因んでいます。また、「いなせ」は威勢のよい若者を意味し、「おぼこ」は世間知らずな娘を意味していますが、いずれも鰡が起源となって転訛したものと考えられています。古くから大衆魚として活用されていたようで、平城京時代の遺跡からは木簡に古名が残っているとされます。更に鰡の骨も古代の貝塚から発見されているそうです。仲間となる種類ではセスジ鰡やメナダがあります。セスジぼらは、背筋の形状をした隆起が見られることに由来した名称であり、分布域は北海道より九州にわたる範囲です。メナダは、カラスミの原料にもされており、ボラの代わりに使われることもあります。容姿が類似していますが、目口の周囲が赤っぽくなっており、平たい頭と大形の鱗が特徴です。また、大きな卵巣を持っており、コスリは一年目の呼び名です。二年目以降はトウブシと呼ばれ、メナダは三年以上経過した成魚の名称です。尚、ボラそのものはクロメやマクチ、マボラと呼ばれることもあります。

ボラ/期待される効能・効果

癌やアレルギーの発生を抑えたり、血栓の形成を抑制する働きがあると言われています。また、脳の働きを保つのを改善したり、肝機能を丈夫にする作用もあるとされます。その他、細胞の老化を防いだり、動脈硬化の予防に有用とされます。含有される成分では、タウリンをはじめ、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA/IPA)、ビタミンA・E、ナトリウムなどがあります。タウリンは肝臓における解毒の働きを高める効果があると言われています。また、コレステロールの代謝及び排泄促進作用や動脈硬化の予防、心機能亢進、血圧低下作用などもあると考えられています。旨み成分であり、アミノ酸の仲間となります。ドコサヘキサエン酸は、癌を予防し、コレステロールを減少させる働きがあると言われています。また、記憶力を高め、老人性認知症を改善したり、アレルギー症状を緩和したりする効果があるとされます。エイコサペンタエン酸は癌や高血圧、動脈硬化を予防する他、抗血栓や抗アレルギー作用などがあるとされます。