床臥/常節/トコブシ

床臥/トコブシの概要

トコブシは岩に付着している様子から、この名称が使われるようになったと言われています。深い殻を持つ特徴的な種は、伊豆諸島に見られますが、分布域は日本各地の海岸で、北海道の北側以外となります。餌は、岩場に見られる海藻で、床臥は成長するとおよそ六センチ程度の殻になります。床臥の仲間となる種類では、フク床臥があり、身はふっくらとしていて、深くなった殻が特徴です。床伏(トコブシ)そのものは別名でアナゴやナガラメ、ナガレコとも言われますが、漢字では若鰒、常節とも書かれます。種類としてはアワビに属しますが、大きさは少し小さくなっています。国内でも広く見られますが、特に磯の石を干潮の際にひっくり返すと発見されるケースが多いと言われています。

トコブシ/期待される効能・効果

貧血や味覚の働きを保つのを改善する作用があると言われています。また、骨を丈夫にしたり、肝機能を高める作用があるとされます。その他、生活習慣病である動脈硬化や高血圧、糖尿病の予防に有用とされます。含有される成分では、ベタインやタウリン、アラキドン酸、グリコーゲン、ビタミンB1・B2・E、銅、亜鉛などがあります。ベタインは肝機能を高めると考えられているアミノ酸系に属する窒素化合物です。いわゆる旨み成分の一つであり、胆汁生成を促す働きがあると言われています。また、脂質代謝を促し、コレステロールを減少させる作用があると考えられています。タウリンは肝臓でのコレステロール代謝を促す働きがあると言われています。このため、血液内のコレステロールを減少させ、延いては動脈硬化の予防に役立つのではないかと言われています。この成分は無脊椎動物であるエビやタコ、イカなどに遊離アミノ酸として広く見られます。また、海産魚の血合い肉への含有量が多く、通常の魚介にも広く分布しています。アラキドン酸は体組織の働きをコントロールする作用があると言われています。