花梨/カリン

花梨/カリンの概要

カリンは安蘭樹(あんらじゅ)との別名を持ち、浙江省、山東省といった中国の東側に自生しています。日本へ花梨が伝わったとされるのは平安時代より以前の話だと考えられており、当時から薬用に花梨を利用していたそうです。日本では長野県や東北地方での栽培が多くなっていますが、これは温度の低い土地で生育するためです。花梨の果肉は生食にはされず、ジャムや果実酒、シロップ漬けなど加工品として用いられます。これは花梨の果肉が硬い上に、味が渋くなっているためです。果皮は鮮黄色で、果実の形は楕円若しくは卵形をしています。桃色から白色をした花は、春を迎える頃に、径数センチ程度で開花します。木は落葉木で、その高さは数メートルに達します。含有される成分にはペクチンがあるため、ゼリーや砂糖漬け、ジャムといった加工品との相性が良くなっています。石細胞で形成される果肉は非常に硬くなっており、生で食べるのには合いません。酸味が特有であり、芳香性にも優れます。果肉だけでなく、種や皮に至るまで食用に使われます。

カリン/期待される効能・効果

薬用として使われることもあり、咳止めの作用が知られています。かりんに含有される成分では、クエン酸やリンゴ酸、ビタミンC、糖質などがあります。クエン酸とリンゴ酸は、疲労物質である乳酸を代謝分解する働きがあると言われています。乳酸は疲労物質であり、当該成分は筋肉中に疲労物質が蓄積するのを防止する作用があると考えられています。ビタミンCは抗酸化物質の一つであることから、癌の予防に期待されています。また、コラーゲンの合成に関与しており、美しい肌を維持するのに有用とされます。更に、免疫を高める作用があると考えられており、感染症をはじめとする風邪などの予防に役立つと言われています。