胡桃/クルミの概要
国内では縄文時代に既に胡桃が食用にされていたと考えられており、ナッツの中で最も古い歴史を持つと言われています。胡桃は、紀元前には食用にされていたものと推測され、温帯地域で主に北半球において生息しています。日本では朝鮮出兵を行った豊臣秀吉の時代に胡桃が持ち込まれたことで普及したとも言われています。胡桃の仲間となる種類では、オニ、カシ、信濃、ヒメ、ペルシアグルミなどがあります。オニグルミは日本各地に自生していますが、沖縄では見られません。しかし原産地は日本と言われています。カシグルミは、テウチグルミとも呼ばれており、江戸時代以降に日本へ中国から渡来したと言われています。原産地は中国です。信濃グルミは、自生の種類と比較すると食べられる範囲も広く、薄い殻が特徴です。ペルシアグルミとカシグルミを交配させた改良品種です。ヒメグルミはやや小形で、日本で自生しています。ペルシアグルミはカリフォルニア産が輸入のほとんどを占めています。薄い殻を持っており、原産地はイランです。尚、くるみは別名で呉桃(ごとう)と呼ばれることもあります。
クルミ/期待される効能・効果
高血圧や動脈硬化の予防に役立つと言われています。また細胞の老化を防いだり、便秘の改善、疲労回復に有用とされます。含有される成分ではγ-リノレン酸やリノール酸、グルテリン、カリウム、食物繊維、ビタミンE、B1、B2などがあります。γ-リノレン酸は体の中でリノール酸から生成される必須脂肪酸の一種です。血圧や血糖値を適正に維持する働きやコレステロールを減少させて、血行を促す働きがあると言われています。また、生体をコントロールするホルモンの材料となるため、体の様々な機能を保ち、それを調整する働きがあると考えられています。リノール酸は過剰摂取によって癌や血栓の発生が懸念されます。しかし適切な量であればコレステロールを減少させ、動脈硬化の予防に有用と考えられています。当該成分は必須脂肪酸の一種です。グルテリンは体の全体的な機能を向上させると言われている蛋白質です。カリウムは体内の余分なナトリウムを体外へ排泄するのを促進させる働きがあると言われています。食物繊維は、癌や糖尿病、動脈硬化の予防に有用とされます。これは腸管で有害物質や老廃物、糖質、コレステロールなどの吸収を阻害し、その排泄を促す作用があると考えられているためです。ビタミンEはいわゆる抗酸化物質であり、過酸化脂質が発生するのを抑える働きがあると考えられています。ビタミンB1は疲労の回復に役立つとされ、B2は成長を促し体力増強に有用とされます。しかし、「クルミ」そのものは非常にエネルギーが高いため、過剰摂取によって上記の利益を十分得ることが出来ない上に、体への悪影響も考えられるため、その摂取量には気をつける必要があります。