石榴/ザクロ

石榴/ザクロの概要

ザクロで食用に栽培されているものは裂果せず、あまり酸味がない大形の品種となります。赤い花を夏の初め頃に咲かせる落葉小高木であり、食用にされてきた歴史はかなり古いものとなります。日本へは10世紀前後、平安時代より前に中国から伝わったと言われています。薬用と共に食用として利用されていたとされますが、石榴の栽培が行われ始めた鎌倉時代には観賞用も多かったと考えられています。イラン周囲が原産地と言われていますが、中国やスペイン、アメリカといった国々でも栽培されています。日本で、一般に広まったのは江戸時代以降のことで、菓子などに石榴の果汁が使われた他、金属製の鏡を磨く際にも利用されていたと言われています。紀元前5世紀前後のヒポクラテスと呼ばれる医学者の書物にも登場することから、石榴は古代ギリシャ時代から食べられていたと考えられています。仲間となる品種はイラン、中国、スペイン、アメリカ産のものがあります。イラン産の石榴はメイコーシュといったものがあり、その品質は最も高いとされます。食べられる範囲が広く、薄い果皮が特徴です。中国産では、大紅や水晶柘榴といったものが知られています。スペイン産ではグラナダといったものがあり、裂開しない果実を持ちます。アメリカ産はロバータやワンダフルなどが知られており、濃厚な甘味で、裂開しない果実を有します。

ザクロ/期待される効能・効果

視力を保つのを改善させる作用や更年期障害由来の諸症状の軽減、疲労回復の働きなどがあるとされます。また、癌を抑えたり、高血圧や糖尿病、動脈硬化の予防にもざくろが有用とされます。含有される成分では、タンニンやエストロゲン、アントシアニンといったものが知られています。タンニンはポリフェノールの仲間で抗酸化物質となります。こちらは活性酸素を取り除く働きがあり、癌を予防したり、殺菌作用があると言われています。エストロゲンは女性ホルモンの一つであり、更年期障害や骨粗鬆症の改善に有用とされます。また、前立腺癌や乳癌などを抑える働きがあるとされます。アントシアニンは色素成分であり、抗酸化物質となります。水溶性であり、血糖値が高くなるのを抑えたり、コレステロール値を下げる働きがあるとされます。抗酸化作用があることから脂質酸化を防止し、癌の発生を抑える働きがあるものと考えられています。その他、視力の改善にも役立つとされます。