蜂蜜/ハチミツの概要
日本で古くから薬用として用いられていた経緯があり、本草和名と呼ばれる平安時代の初め頃の文献には蜂蜜の記録が見られます。しかし、先史時代から蜂蜜の採取は行われていたと考えられており、養蜂も古代エジプト時代から開始されていたものと推測されています。蜂蜜の種類では、レンゲ、ミカン、ソバ、トチ、甘露、アカシア、クローバー、百花、クリ蜜といったものが知られています。レンゲ蜜は、コクがあって穏やかな香りをしており、飲み物だけでなく様々な料理との相性が良いとされます。クセがあまり感じられず、国内ではレンゲの花から採取される一般的な蜂蜜です。ミカン蜜は、柑橘類特有の爽快な芳香があり、風味は甘酸っぱくなっています。採取はミカンの花から行われます。ソバ蜜は一般的なはちみつに比較するとルチンやミネラルである鉄の含有量が多く、その味は黒砂糖に類似すると言われています。クセのある香りを有し、採取はソバの花から行われます。トチ蜜は採取される量が少なく、珍重されています。あっさりとした味わいで、高い香りが特徴です。採取はトチの花から行われます。甘露蜜は、バランスのとれた酸味で、コクはまったりとしています。香りは爽快で、松の樹液を集めたものとなります。アカシア蜜はレンゲ様の味を持つ国内で広く知られるハチミツです。結晶化しにくい特徴があり、これは果糖の含有量がブドウ糖より多くなっているためです。クローバー蜜は料理に用いられることが多く、あまりクセがありません。生産量は世界的にも多く、爽快な甘味を持ちます。百花蜜は、採取時期や場所によって味は異なります。多彩な花の蜜が混ぜ合わされています。クリ蜜は少しクセがあるものの、風味は焼き栗に類似し、香ばしくなっています。
ハチミツ/期待される効能・効果
消化を促したり、味覚の働きを保つのを改善する作用があると言われています。また、貧血や便秘を改善したり、疲労の回復にも有用とされます。その他、美肌効果もあると言われています。含有される成分には、プロテアーゼやグルコン酸などがあります。プロテアーゼは蛋白質を分解し、消化を促す働きがあると言われています。このため、胃腸への負担が軽くなると考えられています。また腸内環境を調整し、老廃物を分解する作用があると言われています。グルコン酸は大腸まで直接届く性質があり、悪玉菌を抑える一方で善玉菌であるビフィズス菌を増加させる作用があるとされます。この成分は糖酸の一つであり、ブドウ糖の酸化によって生じます。