奈良漬/ナラヅケ

奈良漬けの概要

奈良漬け(ナラヅケ)はもともとシロウリが原料となりますが、中にはスイカや大根、キュウリなども用いられます。日本では糟漬(かすづけ)の名称で生姜やウリ、ナス、トウガンといったものを搾った麹汁のカスに漬けた物が、平安時代の文献に記載されています。ナラヅケけの種類では山海漬け、貝柱海茸かす漬け、守口漬け、鯨軟骨糟漬け、松浦漬け、パパイア漬け、メロン漬け、ワサビ漬けなどがあります。山海漬けは新潟で生産されており、くらげや山菜、野菜、数の子を漬けたものです。鯨軟骨糟漬けは、酒かすに鯨の頭部の軟骨を漬けたものです。頭部で用いられるのは軟骨の蕪骨(かぶらぼね)であり、これを短冊状に切ります。その際、塩をして脱水を行います。

奈良漬け/期待される効能・効果

ナラヅケけでは、便秘の改善作用など。含有されるナラヅケけの成分では、パントテン酸やビタミンB6、マンガン、カリウム、ナトリウムなどがあります。アルコール分はおよそ一割弱程度で、他にはビタミンB群や必須アミノ酸なども含まれます。パントテン酸は副腎皮質ホルモン分泌促進作用や蛋白質、脂質、糖質の代謝を促す働きがあるとされます。コエンザイムA(CoA)と呼ばれる補酵素の構成成分として、様々な代謝過程に関して主軸な補助を担っています。他にも薬物の解毒作用や免疫抗体合成、神経伝達物質の合成、HDLコレステロールを増やす働きなどがあるとされます。ビタミンB6はアミノ酸や脂質の代謝を補助する補酵素として働きます。このため、皮膚や歯、髪などを健康に保つ作用があると言われています。その他、ドーパミンやギャバ(α-アミノ酪酸)、セロトニン、アドレナリンなどの合成にも関与しています。マンガンは骨の発育を促したり、肝臓及び骨の酵素の働きを活性化させる作用があるとされます。カリウムは、腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑え、ナトリウムを尿として排泄させるのを促す作用があると言われています。このため、血圧低下が起こり、ひいては高血圧の予防に役立つと考えられています。