天草/テングサ

天草/テングサの概要

テングサは、一般に十五センチ前後のものですが、中には一メートル以上に達するものも見られます。世界的に数十種知られていますが、国内でも幾つか存在しています。日本ではかつて、天草のことを凝藻葉(こるもは)と呼んでいたそうですが、奈良時代にはところてんが存在していたものと考えられています。天草の種類では、マクサ、オニクサ、ユイキリがあります。マクサは、日本のあちこちで見られ、一番普及しています。中でも伊豆産のものは評価が高く、通常、寒天の原料として利用されます。オニクサは、とても固い寒天を作ることで知られており、ノリ分が多くなっています。ユイキリは、トリアシとの別名を持っていますが、これは鶏の足を連想させる藻先を形成しているためです。尚、天草は、寒天(カンテン)若しくは「ところてん」の原料となるものです。

テングサ/期待される効能・効果

便秘や貧血の改善作用があると言われています。また、高血圧や糖尿病、動脈硬化の予防にも役立つと言われています。含有される天草の成分では、アガロペクチンやアガロース、βカロテン、マグネシウム、カリウム、鉄などがあります。アガロペクチンは水溶性食物繊維であり、アガロースに類似しています。寒天の中心となる成分であり、癌や動脈硬化の予防に有用とされます。また、コレステロールを減少させたり、整腸作用から排便を促す働きもあると言われています。アガロースは高血圧や動脈硬化、糖尿病の予防に有用と言われており、更に整腸作用から便秘の改善にも働きかけると言われています。いずれの成分も多糖類であり、水溶性食物繊維となります。βカロテンは小腸壁でビタミンAに変化する成分であり、皮膚や粘膜を保護したり、抗癌作用があると言われています。マグネシウムは骨を構成する成分であると共に、数百存在する酵素作用を補助する働きがあると言われています。血管拡張作用や神経興奮の抑制作用などがあるとされます。カリウムは細胞の浸透圧を調節する作用があると言われており、細胞の適正な活動を補助すると考えられています。鉄は酵素の構成成分になっている他、酸素を運搬したり、酸素を細胞に吸収させたりする役割があります。不足した場合、鉄欠乏性貧血を招きます。