海鞘/ホヤの概要
ほとんど養殖物の海鞘が市場へ出回っていますが、北海道から東北にかけて天然物のマボヤが分布しています。食用とされるのは、十センチ以上に育ち、岩礁にくっついてからおよそ三年が経過した海鞘です。日本各地に見られますが、朝鮮半島にも分布しています。仲間となる海鞘の種類ではアカボヤがあり、寒帯性に属し、国内では北海道で食されています。分布域は北米西洋岸から千島列島にいたる範囲で、体表はザラザラしています。外皮には突起が見られず、色調は赤橙色っぽくなっています。海鞘は東北の特産品で、海のパイナップルとも言われており、漢字では保夜若しくは海花とも書きます。ほやの体表は壷状で、凹凸の激しい外皮が特徴です。食用にされるまで数年かかりますが、これはホヤの成長が遅いためです。食べる際は外皮を剥いで、中身の内臓や筋肉を取り出します。
ホヤ/期待される効能・効果
味覚の働きを保つのを改善したり、肝機能を高める作用があると言われています。また、高血圧や動脈硬化を防ぐのにも役立つと考えられています。含有される成分には、不飽和アルコールやベタイン、カリウム、亜鉛、銅、鉄などがあります。不飽和アルコールは炭化水素化合物であり、石油成分に類似します。この物質は、ホヤ独特の特異臭です。ベタインはコレステロールを減少させる役割があると言われており、胆汁生成を促し、脂質代謝を高める作用があると考えられています。アミノ酸系に属する窒素化合物であり、いわゆる旨味成分の一つでもあります。その他、肝機能を強化する働きもあると言われています。カリウムは過剰なナトリウムを体外へ排泄する作用があると言われており、血圧を下げる働きがあると考えられています。このため、高血圧の予防に有用とされます。亜鉛は味覚の正常化に作用すると言われているほか、骨や皮膚の新陳代謝にも関与していると考えられています。