枇杷/ビワ

枇杷/ビワの概要

ビワの葉が薬用として八世紀頃から中国で利用されていた経緯があり、中国を含め日本も枇杷の原産地となります。秋から冬の初めが開花時期であり、年を越えて夏の初め頃に実が成熟していきます。日本で枇杷が食用にされるようになったのは平安時代以降と言われています。仲間となる枇杷の種類では茂樹枇杷(しげきビワ)や田中枇杷(タナカビワ)、瑞穂(みずほ)、白茂木などがあります。茂木びわは、少ない酸味に優れた甘味が特徴です。果実は小形であり、色調は濃厚な橙色になっています。もともと中国から当時の茂木町である長崎市に渡来した品種であり、ここで育成された経緯があります。田中ビワは茂木びわを品種改良したもので、これを行った田中茂男と呼ばれる農学者の名前に名称も由来しています。房州びわは千葉県の南側に位置した房州の名称に由来したもので、田中びわの代表品種でもあります。強い酸味を持ち、果実は大形となります。やや淡色の果肉を有します。尚、びわは別名で「ヒワ」と呼ばれることもあります。

ビワ/期待される効能・効果

利尿を促したり、疲労の回復、視力を保つのを改善する作用などがあるとされます。また、便秘を改善したり、癌の発生を抑えたりする働きもあると言われています。その他、高血圧や動脈硬化の予防にも有用とされます。含有される成分では、食物繊維やポリフェノール、クリプトキサンチン、クロロゲン酸、サポニンなどがあります。食物繊維は腸内の善玉菌を活発化させ、整腸作用を呈します。ポリフェノールは抗酸化物質であり、渋味成分でもあります。脳卒中や高血圧、動脈硬化、癌の予防に役立つと言われています。また、老化防止の働きもあるとされます。クリプトキサンチンはカロテノイド系の黄色の色素成分であり、老化に伴う視力の衰えを防ぐ働きがあると言われています。クロロゲン酸はポリフェノールの仲間であり、癌の予防や老化防止に有用とされます。これは活性酸素を抑える働きに由来します。サポニンも抗酸化物質であり、びわの苦味成分となります。優れた利尿効果を示し、コレステロールや血圧の数値を下げると言われています。また、老化を防止し、活性酸素を抑えることから癌の発生を抑制するとも考えられています。