胡麻/ゴマの概要
胡麻は肉食を禁忌とする禅僧などには重宝される蛋白源であり、精進料理の材料としても使われます。中国から日本へ渡来したと言われていますが、エジプトやインドが胡麻の原産地とされています。日本で食用として普及し出したのは、奈良時代以降と言われています。仲間となる種類では黒、白、金胡麻があります。黒胡麻は栄養価に優れていると言われています。これはリグナンが表皮にも含有されており、アントシアニンなどの成分も含んでいるためです。アントシアニンは肝機能を高めたり、視力の向上に有用とされている成分です。また、食用にされる機会の多い品種でもあります。白ゴマはいわゆるゴマ油として使われる頻度が高く、油分の量も非常に多くなっています。金ゴマは、和え物や懐石料理といった形式で用いられやすくなっています。フラボノイドを含有しており、高い抗菌作用が期待されています。芳香性に優れ、別名では茶ゴマとも呼ばれています。
ゴマ/期待される効能・効果
眼精疲労や貧血の改善、疲労回復、細胞の老化を防ぐ作用などがあるとされます。また、癌の発生を抑えたり、肝機能や骨の強化に役立つと言われています。その他、動脈硬化の予防にも有用とされます。ごまに含有される成分では、セサモリンやセサミン、セサモールなどがあります。いずれも抗酸化物質であり、ごまリグナンと呼ばれるものがこれに該当します。他には、リノール酸やオレイン酸、ビタミンB1、E、鉄分、メチオニン、カルシウムなどもあります。セサモリンは癌を抑える働きがあると言われており、セサモール及びセサミノールの前駆体となります。セサミンにも癌の発生を抑える働きがあるとされますが、他にもビタミンEを効率的に用いる働きや血圧低下及びコレステロール低下作用などがあると言われています。セサモールも発ガンを抑える働きがあると言われていますが、この成分はセサモリンに熱を加えることで生じます。リノール酸やオレイン酸は不飽和脂肪酸であり、コレステロールを減少させる作用があるとされます。ビタミンB1は疲労回復に有用とされています。ビタミンEは抗酸化物質であり、細胞の老化を防ぐ他、癌の発生を抑えるなどの働きがあると言われています。鉄分は貧血の改善に有用とされています。メチオニンは必須アミノ酸であり、肝機能を強化する働きがあると考えられています。カルシウムはイライラ感を改善したり、骨の強化に作用すると言われています。