無花果/イチジクの概要
イチジクの品種は普通系、スミルナ系、サンペドロ系、カプリ系などに大きく分類されています。欧米では百を超える品種がありますが、日本で栽培されているのはこのうち普通系の無花果です。結実は受粉なくして成立します。カリカ地方とアラビア南部が原産地ではないかと言われていますがハッキリとしたことは分かっていません。日本へは江戸時代に伝わったとされ、当時、唐柿(とうがき)と言われていたそうです。名称から中国から渡ってきたとも考えられますが、長崎で西洋から渡ってきた種子が植えられたことによって普及したとも言われています。無花果の仲間で良く知られているものでは、干し無花果、桝井ドーフィン、蓬莱柿(ほうらいし)、ビオレドーフィンといったものがあります。干し無花果の多くはトルコ産であり、製菓の原料として用いられています。しかし、かつては兵糧に使われていたそうです。桝井ドーフィンは、桃色の果肉を有し、楕円の形状をしています。夏秋兼用種であり、もともと桝井光次郎と呼ばれる人物が明治に導入したものだと言われています。現在、日本で広く普及しています。蓬莱柿は、厚い果皮を有し、卵の形状をしています。重さは五十グラムほどで、秋果専用種となります。ビオレドーフィンは、強い甘味を有し、小形の果実となっています。尚、イチジクは別名で南蛮柿(なんばんがき)とも呼ばれています。
イチジク/期待される効能・効果
便秘の改善や消化を促す働きがあると言われています。また、糖尿病や動脈硬化の予防に有用とされており、癌を抑える働きもあると言われています。含有される成分では、食物繊維やペクチン、フィシンなどがあります。食物繊維は腸内の善玉菌を活性化させ、整腸作用や抗がん作用があると考えられています。ペクチンには癌や糖尿病、動脈硬化を予防する働きがあると言われています。糖質やコレステロールの吸収率を低下させ、更に腸内環境を改善することから排便を促す作用も期待されています。フィシンは、蛋白質の分解作用があり、消化吸収を促す働きがあると言われています。この成分は白い汁状をしています。