夏蜜柑/ナツミカンの概要
ナツミカンの発端は山口県の海岸に浮遊していた柑橘の種とされています。この柑橘の種子が採取されて育った原木は天然記念物の指定を受けており、千七百年代当初は食酢として果汁が使われていたそうです。夏蜜柑が一般に広まったのは明治以降と言われており、果実としての夏蜜柑の利用もこの頃と考えられます。夏蜜柑の仲間となる品種では、文旦(ぶんたん)や八朔(はっさく)、川野夏橙(かわのなつだいだい)などがあります。文旦はボンタンやザボンとも呼ばれているもので、加工食品としてマーマレードなどに利用されたり、生で食されることもあります。僅かに苦味があり、特有の芳香性を持っています。同じ柑橘類の仲間の中では特に大形の実を形成します。ハッサクは、和え物や酢の物に用いられていますが、これは分厚い皮に、硬い肉質を持ち、少ない果汁が特徴であるためです。ただ、酸味と甘味の均衡には優れているとされます。ハッサクは、マンダリン及び文旦の自然交雑種となります。カワノナツダイダイは、甘夏カンとも言われている品種で、酸味が夏みかんに比較すると低下します。尚、夏蜜柑は夏橙(なつだいだい)と呼ばれることもあります。
ナツミカン/期待される効能・効果
含有される成分では食物繊維やオーラプテン、リモノイド、クエン酸などがあります。食物繊維には抗がん作用や整腸作用などがあると言われています。オーラプテンは老化を防いだり、癌の予防に有用とされます。これは活性酸素を除去する作用があるとされるためで、色素成分であり、果皮に含有されています。リモノイドは、発癌性物質を無毒化したり、血小板凝集を抑える働きがあると言われています。このため、癌や血栓の予防に期待されています。リモノイドには数十種に上る種類があり、柑橘類が有する独特の苦味成分を言います。