柿/カキの概要
柿は日本でも古事記や日本書紀などに記載されていることから、古くから栽培されていたものと考えられます。東南アジア独特の果樹の一つであり、八世紀を迎える頃には柿が栽培されていたのではないかと言われています。東アジアを主軸に栽培されていますが、ニュージーランドやブラジル、アメリカ、イスラエルといった国々でも見られます。そのため、世界各地で「カキ」という言葉がそのまま用いられているそうです。大別すると甘がきと渋柿に分類されます。柿はタンニンが含まれているため、高血圧を防ぐのに有用とされており、他にもビタミンCやビタミンAなども多いとされます。甘カキでは完全と不完全甘がきというものがり、渋カキでも完全と不完全渋カキという種類があります。完全甘がきは富有(ふゆう)や次郎などがあり、渋が受粉しないで除去されます。不完全甘かきには西村早生や禅寺丸(ぜんじまる)といったものがあり、種子が受粉によって生じると渋が除去される品種を言います。渋柿(しぶがき)は、会津見不知(あいづみしらず)、西条、平核無(ひらたねなし)などがあり、干しかきなどの形式で食され、渋みは完熟しても消えません。
カキ/期待される効能・効果
感染症や糖尿病、動脈硬化の予防に有用とされます。また、免疫力を高めたり、皮膚機能維持、利尿促進、癌抑制といった作用もあると考えられています。含有される成分にはタンニンやリコピン、食物繊維、βカロテン、クリプトキサンチンといったものがあります。タンニンは殺菌作用や抗酸化作用が知られており、癌を防ぐのに有用とされます。リコピンも抗酸化物質の一つであり、活性酸素を除去すると考えられます。その効果はβカロテンより高いとされ、老化や癌を抑えるだけでなく、アレルギーを抑えるのにも有用とされます。リコピンは色素成分であり、赤っぽい色調をしています。食物繊維には整腸作用や抗がん作用があるとされます。βカロチンの抗酸化作用はリコピンのそれに比較すると低くなっていますが、癌が発生するのを防ぎ、糖尿病や動脈硬化の予防に役立つとされます。クリプトキサンチンはカロテノイド系の色素であり、その色調は黄色です。活性酸素を除去したり、視力が落ちるのを防いだりする働きがあると考えられています。