隠元豆/インゲンマメ

隠元豆/インゲンマメの概要

インゲンマメが国内で広く利用されるようになったのは明治時代以降と言われており、名称の由来は隠元禅師となります。この禅師が中国から日本へ十七世紀頃に隠元豆を持ち込んだと推測されていますが、中南米が原産地と考えられています。栽培が行われ出したのは紀元前八千年前後とされており、次第にヨーロッパから世界各地に伝播していったものと推測されています。隠元豆の仲間となる種類では金時、手芒(てぼう)、ウズラ、白金時、虎豆の類があります。金時は甘納豆や餡として使われており、色調は赤紫です。手芒は餡だけでなく和菓子にも使われており、その形状は楕円形の小粒で、色調は白っぽくなっています。ウズラは煮豆への利用が中心であり、特有の模様が見られます。白金時も煮豆に利用される他、白餡にも使われます。色調は白っぽく、大粒になっています。虎豆は煮豆と共に和菓子などに使われており、こちらも変わった模様が見られます。尚、隠元豆は別名で三度豆や五月ささげ、菜豆(さいとう)と呼ばれることがあります。

インゲンマメ/期待される効能・効果

便秘や貧血の改善、癌の発生を抑える働きがあると言われています。また動脈硬化や糖尿病の予防に役立つと考えられています。含有される隠元豆の成分では食物繊維やα-アミラーゼインヒビター、トリプシンインヒビター、カリウムなどがあります。食物繊維はコレステロールや有害物質、糖質などの吸収を阻害し、その排泄を促進させる働きがあると言われており、動脈硬化や癌、糖尿病の予防に役立つと考えられています。また、腸内の善玉菌を繁殖させ、整腸作用があるとされます。α-アミラーゼインヒビターは、食後における血糖値の急上昇を抑える働きがあると言われており、糖尿病の予防に有用とされます。これはα-アミラーゼと呼ばれる消化酵素の作用を邪魔する働きがあると考えられているためで、延いてはデンプンの消化と吸収を遅らせることに由来します。当該成分は、他の豆類には含有されていないと言われています。トリプシンインヒビターも糖尿病の予防に有用と言われており、これは膵臓作用を向上させ、インスリン分泌を促進させる働きがあると考えられているためです。