きな粉[黄な粉/キナコ/黄粉/きなこ]

きな粉の概要

同じ大豆製品でも全粒を使ったものと粗砕後、粉砕して種子を取り除いたものがあります。基本的には大豆を焙煎、粉砕後、ふるい分けして作られる粉末製品です。焙煎は160度ほど15分前後行い、その後冷やして粗粉砕します。さらに高速粉砕機によって細かくされます。出来上がったものは粒度によって仕分けられます。きな粉は、和菓子材料として用いられることが多く、わらびやおはぎ、安倍川もち、くずもちなど、砂糖を添加した形態でまぶして使われます。風味は香ばしく、こんがり焼けたような匂いが特徴です。種類では黄色い大豆と緑色の大豆を原料としたものがあります。後者はうぐいす餅で使われ、香味、色調が黄色い大豆のものより優れると言われています。

きな粉/期待される効能・効果

きな粉に含有される養分組成は大豆のそれとほとんど同様です。ただ、焙煎によって水分は若干少なくなり、アミノ酸であるシスチンやリシンといったものが壊される傾向にあります。更に焙煎によってタンパク質や脂質の消化吸収率は低下します。また、きな粉の全粒製品は種皮を除去したものより、炭水化物や脂質、食物繊維が多い一方で、若干タンパク質が少なくなっています。きな粉に含有される養分では上記食物繊維やタンパク質のほか、モリブデン、銅、クロム、葉酸、マグネシウムなどがあります。モリブデンは貧血防止のほか、糖や脂質代謝を補助します。銅はヘモグロビン合成や鉄の吸収を促し、クロムはインスリン作用などに関わります。葉酸はアミノ酸やDNA合成に必要な物質であり、マグネシウムは骨形成に関与します。尚、水溶性食物繊維は糖や脂質の吸収を抑制する働きがあると考えられており、不溶性食物繊維は腸の蠕動運動を促進させると言われています。また、両者ともに大腸癌の予防に期待されています。尚、黒豆から作り出したきな粉にはアントシアニンが含有されています。この物質は自ら活性酸素を取り込み、還元する働きがあると言われています。