葛切り/クズキリ

葛切り/クズキリの概要

国栖(くず)は奈良県吉野に位置しますが、もともとこの地域で自生していた葛(クズ)があり、それをもとに質の良いデンプンがとられていたことに葛切りの名称も因んでいます。原産地はアジアと言われていますが、吉野産のものは現在でも質の高い製品として有名であり、吉野本葛と表記されています。これは公正取引委員会によって認可されているためで、高級品の本葛として広く知られています。葛切りは、水で溶いた葛粉を煮て、めん状にしたものですが、その原料となる植物はマメ科に属します。高い繁殖力を持っており、葛粉はその根から採取されたでんぷんのことを言います。古くから食用と共に薬用としても利用されてきましたが、他にも網の材料として使われていたそうです。また、襖や和紙、壁の素材としても活用されており、優れた利用価値があったと言い伝えられています。通常、市場へ流通しているものは乾燥された製品であるため、一旦水で戻す必要があります。

クズキリ/期待される効能・効果

葛切りはエネルギー源としての利用が中心です。含有される葛切りの成分には炭水化物や脂質、蛋白質、マグネシウム、カルシウム、そしてダイゼインなどがあります。このダイゼインは抗炎症や解熱の作用があると言われており、更に筋緊張を解きほぐす働きなどもあると考えられています。炭水化物や脂質は主にエネルギー源として利用されますが、現代の食生活では摂り過ぎる傾向にあります。尚、葛は漢方の領域でも利用されてきた経緯があり、葛根湯(かっこんとう)の名称で親しまれています。