納豆/ナットウ

納豆/ナットウの概要

日本へは奈良時代に「塩し(えんし)」という種類が渡来したと考えられており、これは寺納豆に類似し、塩辛くなっているものです。国内での糸引きは日本で製法が開発されたと言われており、中国の糸引きに類似する「淡し(たんし)」とは異なるとされます。現在の種類ではこの糸引きや塩辛、五斗があります。糸引きは、納豆菌をダイズに添加して発酵させたものです。使用するダイズは蒸し煮したもので、一般に納豆と言えば、この種類になります。更に分類した場合、引き割りと粒納豆があり、前者はひいた豆を用います。後者は粒状のダイズを直接使用したものです。塩辛は、麹発酵させた煮たダイズに塩水を添加させ、それを一定期間熟成させたものです。寺ナットウとの別名もありますが、これはもともと寺院で製造されていたことに由来します。また、保存性に優れており、ナットウ菌を使わず塩分が多くなっています。品種では浜や大徳寺などが知られています。五斗は麹と塩を用いているため、やや保存期間が長いとされます。糸引きにこの麹と塩を添加させたものを熟成させて作るため、二次加工品となります。

ナットウ/期待される効能・効果

血栓や癌の発生を抑えたり、消化促進、便秘改善などの働きがあるとされます。また、骨を丈夫にしたり、腸内でのビタミンK生成にも関与しています。その他、糖尿病や動脈硬化の予防にも有用とされます。含有される成分では、食物繊維やナットウ菌、消化酵素、なっとうキナーゼなどがあります。食物繊維は整腸及び抗癌作用があることで知られており、腸内善玉菌の繁殖を活性化させる作用があると言われています。なっとう菌は、ビタミンKの生成を補助する働きがあると言われており、腸内環境の調整にも影響しています。このビタミンKには、カルシウムが腸内で取り込まれるのを補助する作用があると言われています。消化酵素は胃腸作用を活発化させ、消化と吸収を促すとされます。なっとうキナーゼは血栓を溶かす性質を持っており、その作用は高いと言われています。いわゆる酵素の仲間です。