ライ麦の概要
ライ麦は日本であまり栽培が行われておらず、その多くが欧米からの輸入に頼っています。作物として普及したのは紀元前数千年に遡り、もともとは雑草として自生していたものと考えられています。カスピ海を含む西アジアがライ麦の原産地と考えられており、日本へ渡来したのは明治の初め頃で、ヨーロッパから伝わったと言われています。ペトクーザというらいむぎの品種が知られており、国内では青森県や北海道で見られます。もともとはドイツから持ち込まれたものであり、小麦に比較すると固くなっています。色調は青っぽくなっており、パン食を中心とする地域では穀物として大麦や小麦と共に重要な位置を占めています。ただ、グルテンの含有量があまりないため、パンを作る際にはグルテンが添加されたり、小麦粉が加えられます。グルテンは柔らかい生地を作るのに必要な成分であり、らいむぎにはあまり含まれていません。しかし、やせた土地に対してもライ麦(らいむぎ)は耐性があるため、ヨーロッパでは古くから栽培されてきた経緯があります。尚、らいむぎは別名でクロムギとも呼ばれています。
らいむぎ/期待される効能・効果
癌の発生を抑えたり、整腸作用があると言われています。また、高血圧や動脈硬化、糖尿病の予防にも役立つと考えられています。含有されるらいむぎの成分では、食物繊維やプロテアーゼインヒビター、フィチン酸、カルシウム、ビタミンB1などがあります。食物繊維は便秘の改善に有用とされる物質であり、栄養的には期待できなくても腸内の善玉菌を増加させる働きなどもあると言われています。また、腸内においてコレステロールや糖質、有害物質などが体内へ取り込まれてしまうのを邪魔する働きがあると考えられており、動脈硬化や糖尿病、癌の予防に有用とされます。プロテアーゼインヒビターには蛋白質消化酵素の作用を邪魔する働きがあると言われています。このため膵臓の作用が高まり、インスリンの分泌を刺激すると考えられ、延いては糖尿病の予防に役立つと言われています。フィチン酸は、食後における血糖値の急上昇を抑える働きがあると言われていますが、これは当該成分にデンプンの消化酵素の作用を邪魔する働きがあると考えられているためです。このことから糖尿病の予防に役立つとされています。