慈姑/クワイ

慈姑/クワイの概要

クワイは、地下にある球状の塊茎を食用にします。葉柄と葉が鍬の形状に似ているため、慈姑と呼ばれるようになり、鍬芋(クワイも)を略した名称とされています。慈姑はオモダカ科に属し、原産地は中国となります。豊臣秀吉が京都において城壁を作るときに、材料として使った土の跡地に植えたのが、慈姑の発祥と言われています。現在ではその栽培も水田で行われ、秋が訪れると丸い塊茎を茎の先端部分につけます。この塊茎が食用にされる慈姑で、凡そ一メートル程の草丈まで育ちます。次の年の春に延びる芽が塊茎上部に見えるため、「芽出度い」(めでたい)と言われ、正月料理などに縁起物の野菜として利用されます。白クワイ、青クワイ、吹田くわいといった品種があります。デン粉が豊富に含まれ、程よい苦さと甘味があります。また、熱を加えることで弾力性が肉質に生じます。調理では、鍋物や揚げ物、煮物などに使われています。

クワイ/期待される効能・効果

くわいに含まれる栄養素には、でんぷん、タンパク質、リン、亜鉛、銅、ビタミンE、ナイアシン、ビタミンB6、パントテン酸などがあります。デンプンの含有量は、全体の30%でさつまいもに近い値です。タンパク質においては、通常のイモ類の4倍程度含有されています。また、ビタミンEには抗酸化性があることから、癌や老化の予防に有効と考えられています。亜鉛は乳酸脱水酵素や炭酸脱水酵素の成分であり、タンパク質や核酸の合成に関係する成分となります。