バレリアンとカモミール

バレリアン

古代ギリシア時代から利用されてきたハーブの一つに数えられており、その歴史も古いものとなっています。原産地をヨーロッパとするバレリアンは、オミエナシ科カノコソウ属に分類される多年草になります。主に不眠症の改善目的で利用されてきた経緯があり、日本へ伝わったとされるの江戸時代以降となります。有効成分は、バレリアンの臭い成分である吉草酸(きっそうさん)になります。この成分は、脳内においてγ-アミノ酪酸、通称GABAの放出を促すとされています。GABA(ぎゃば)は、精神状態を穏やかなものにする働きがあるとされていて、これによって睡眠が誘発されると言われています。併用されるハーブでは、鎮静作用を有するレモンバームなどが薦められています。一般に、期待される効能は、不眠症の改善作用、精神安定作用などとなります。尚、通常の食品に近い成分であるため、特に問題とされる重大な副作用などは知られておりません。また、その作用も医薬品に比較すると、目覚めの点において優れているとされています。ただし、稀に過剰摂取によって、吐き気や頭痛といった症状を引き起こすこともあります。相互作用においても、抗鬱剤との併用に対して、その使用を控えるべきとされています。尚、適切とされる量は人によって異なるため、服用してから何らかの異常が見られる場合は、その使用を中止するべきと言われています。

カモミール

胸焼け、鼓腸、下痢、消化器官の不調にも用いられています。また、研究では、子宮及び腸の平滑筋に働きかけ、その痙攣を鎮静したとの報告例もあります。その他、月経に起因する偏頭痛や月経痛の緩和目的でも利用されています。

有用で安全性の高い相互作用

バレリアンとカモミールを併用した場合、不眠症及び不安症に有効とされています。ただし、ヒナギクの仲間であるヨモギやヤグルマギクに対してアレルギー反応が見られる場合、カモミールの併用を見送ります。また、他の鎮静系ハーブ及びサプリメントとの組み合わせを避けます。その他、数週間程度で作用が一定すると言われています。