欠乏症:脚気、多発性神経障害、食欲不振、便秘、浮腫、心肥大、手足のしびれ、反射神経の異常など。またウェルニッケ・コルサコフ症候群を発症することもあり、これはアルコールの大量摂取から引き起こされることが多く、意識障害又は手足の麻痺といった症状が現れます。一般には、ビタミンB1の欠乏症によって中枢神経が障害されると考えられています。尚、江戸時代末期に流行した「江戸わずらい」は脚気のことで、これもビタミンB1の欠乏によるものです。過剰摂取:必要分量以外は、体外に排泄されるため、過剰摂取による副作用はありません。ビタミンB1は、炭水化物や脂質をエネルギーに変えてくれる疲労回復のビタミンです。脳で必要とするブドウ糖もエネルギーに変えると言われています。また、脳内の神経伝達物質を正常に保つ働きがあり、アルツハイマー病にも効くという報告があります。エネルギーを出す過程でできる乳酸は、肝臓や腎臓などでブドウ糖に変換されますが、その乳酸をブドウ糖に変換する際、ビタミンB1が必要です。夏場や激しい運動後に清涼飲料水などを大量に飲めば、糖質の代謝が過度に実行され、ビタミンB1が不足がちになります。甘い物を多く摂取したの後に食欲不振になるのは、一時的なビタミンB1欠乏とも言われています。ビタミンB群には、相互作用がありますので、B2、B6、B12、などと同時摂取が望ましいとされています。
ビタミンB1の基準摂取量(水溶性ビタミン)
性別 |
男性 |
女性 |
年齢 |
推奨量(mg/日) |
推奨量(mg/日) |
18~29 |
1.4 |
1.1 |
30~49 |
1.4 |
1.1 |
50~69 |
1.3 |
1.0 |
70以上 |
1.0 |
0.8 |