筋サテライト細胞
筋肉が傷ついて損なうと、およそ一日で筋サテライト細胞が活性化します。これは活動の指示が当該細胞へ伝わるためで、その際筋線維の膜から外へ出てきます。そして筋前駆細胞へとその姿を変え、その状態で傷ついた箇所を覆うように増殖していきます。分裂を繰り返した後、次は分化を開始し、筋前駆細胞の分裂はとまります。分化する過程では細胞同士の融合が始まり、多核細胞となります。この時、損傷部位の周りに存在する前駆細胞を飲み込みながら成長し、結果として横紋構造を作って筋肉の修復が終わります。
線維芽細胞と筋サテライト細胞はその役割が同じで、損傷が発生するまで活性化することはありません。一度損傷を招くとこれらの細胞は大きく活動し出しますが、非活性の状態では特に役割はないようです。また、その損傷から筋サテライト細胞へどういったメカニズムで情報交換されているのかハッキリ分かっていません。一酸化窒素や細胞増殖因子などの説も存在しますが、現状では不明です。
研究では筋サテライト細胞が脂肪及び骨芽細胞へと分化することが解明されています。これは多能性幹細胞であるためですが、動物の体の中で実際にこれらの細胞へと変化することはないようです。何故、試験管の中では脂肪細胞や骨芽細胞へと分化するのに動物の体の中では分化しないのか、或いはこのような機能を制御しているメカニズムも不明です。