腸管免疫

外界の異物が体内に入り込む場合、一番容易な通り道は口腔です。口から食道、そして胃から腸へ侵入すると、摂取した食物の栄養分とまぎれて異物も血液内へ入りやすくなります。ただ、こういった経路を辿って血管内へ容易に入り込まれると生命を脅かすことになりかねないので、腸には防御の仕組みが組み込まれています。腸管免疫(ちょうかんめんえき)と言われているものは、この仕組みのことを指します。 血液にも免疫システムが備わっていますが、こちらは血管とリンパ管内を白血球が循環することで、その機能が発揮されています。つまり、老廃物や不必要な細胞があればそれを貪食し、常時、外部からの侵入異物に対して見張っています。問題が発生したら、同時に他の白血球をも集合させ、応戦して心身を保護しています。免疫機能に異常が発生した場合、こうした働きがうまく行われなくなり、侵入した異物を貪食せず、或いは応戦しても負けてしまったりします。また、自己免疫疾患では自身を構成する成分を攻撃して、自分に損傷を与えてしまいます。更に癌などの細胞の増殖を許可してしまうなど、さまざまな害悪が引き起こされることになります。 腸にはこうした白血球が非常に多く存在し、特に小腸に集まっていると言われています。いわゆる抗体と呼ばれている免疫物質も小腸にて生成されているのではないかと考えられています。このため、腸は食物を消化させるだけでなく、全身の免疫機能を正常に作用させる上でも大切な臓器ということができます。