ストレスによる不眠
風船に圧力を与えるとその部分がへこみますが、離すと元通りに回復します。しかし、圧力を過剰に加えると破裂してしまいます。人間のストレスもこれと同様のことが言えます。ストレスは人間関係のいざこざが代表的ですが、古い環境から新しい環境へ移ったり、過労からくる肉体的及び精神的な苦痛など現代社会ではさまざまなことから感じるものです。これはあらゆる刺激に対して心身が適応しようとする反応ですが、まずホルモンであるアドレナリンが副腎髄質より放出されます。このため、血管収縮から高血圧を招きます。更に、ホルモンであるコーチゾルも副腎皮質から出てくるため、免疫力が落ちてしまいます。この物質は白血球の仲間であるリンパ球を溶かしてしまう作用があるからです。
このような状態が起きている間だけ発生しているのなら問題はありません。これは夜になってきちんと睡眠をとれば、緊張した血管も緩み、落ちた免疫力も元に戻るためです。このため、疲れた心臓や消化器も夜間に回復し、血液も綺麗になって、次の日には不調も解消しています。ただ、ストレスが加わることによって不眠状態が継続すると問題です。緊張が長期間持続すると、自律神経の作用がおかしくなります。次第に、異常をきたして回復不能となります。すると血圧は上昇したままで、免疫力は落ち、血液も汚いままとなります。このことが容易に感染症を招いたり、高血圧を生じたりします。また、過剰なストレスは心筋梗塞や脳梗塞の要因となる血栓を血中に発生させます。これはストレスによって赤血球が増えるためで、他にもコレステロールの増加から高脂血症、尿酸の増加から通風を招くこともあります。