好中球とマクロファージ

好中球は自然免疫の内でも軸になっている細胞で、同様の白血球の内、大半を占めます。他の種類に比較すると大きくなっており、血中では内壁にくっついているタイプと全身を巡っているものがあります。これらは通常数百億単位で存在しており、緊急時には骨髄からその数十倍の好中球が生成されます。数が多いこともあって、ウイルスなどが体の中へ入り込むとまずこの白血球が出動します。形状は自身を歪めるため、アメーバのようになっています。これは核糸によっていくつかの塊に細胞核が分けられているためで、大きな核が狭い所を通りやすくするためです。このため、血管壁の細胞の間を通過することも可能です。 骨髄から血中に好中球が出てきた場合、およそ二日程度で寿命は終わります。インターロイキン-8は血管の損傷部位に発生する物質であり、好中球はその発生部位に集まってきます。しかも細菌に出くわすと貪食しますが、これは細菌の持つアミノ酸の鎖を好中球が認識するからです。貪食とは簡単に言えば細菌を丸ごと飲み込んでしまうことですが、そのスピードも速くなっています。 好中球には優れた殺菌作用も認められますが、これによって周りの組織に損傷を及ぼすこともあります。例えば血管内壁などがこれに該当し、その部分に腫れが生じます。また、細菌を貪食した好中球も死にますが、これを処理しているのがマクロファージと呼ばれる白血球です。こちらの登場は好中球がほとんど処理してからで、細菌の残党や役目を遂げ終わった好中球を掃除します。血管内壁などに生じた腫れは、これらの処理が終わってからおさまり、新陳代謝も高まります。