オルトフェニルフェノール/イマザリル

防カビ剤は僅かであれば人の体に害悪を与えないと考えられています。国の規定では、TBZと略されるチアベンダゾール、イマザリル、OPPと略されるオルトフェニルフェノール、そしてそのナトリウム塩が防カビ剤としての用途で柑橘類に使うことが許されています。これらの物質の一日摂取許容量は安全とされる基準が設けられているため、あまり問題とはなりません。柑橘類にはレモンやグレープフルーツ、オレンジがあり、使い方としてはこれらの果実の表皮にワックス処理するか噴霧します。このため、果皮に防カビ剤が残留しても、果肉に浸透してしまう量はあまりありません。厚生労働省の検査では、果実そのものを洗浄せず、果皮と共に果肉部分を含めて検査対象としています。このため、使用基準もかなり少なく設定されていると考えられます。 海外では防カビ剤を農薬として処理していますが、日本国内では食品添加物とされています。これは食品衛生法第二条の規定によるものです。柑橘類が海外から輸入される際、問題となるのは輸送にかかる時間であり、長期に渡るほどカビを発生させてしまうことになります。これを防ぐ意味で殺菌剤を用いることは仕方がないといえます。 オルトフェニルフェノール及びイマザリルの残留検査を、いくつかの柑橘類で行っていますが、大幅に使用基準を超えるものはほとんどないと言われています。また、国の定めた使用基準も一日摂取許容量、つまりADIをかなり下回るように設定されているため、防カビ剤に過度な反応を示す必要はないと思われます。