鼻/気管支/肺

空気を吸った際、鼻から吸入された埃やチリ、細菌、その他の異物は線毛によって除去され鼻の外へ排出されます。この線毛はよく絨毯の毛のように例えられますが、その通りで鼻の中は粘膜細胞で覆われており、その細胞から毛が生えて粘液も分泌しています。加齢に伴って粘膜細胞は減少傾向を示し、更に個々の細胞が萎縮することもあります。このため、粘液の分泌量も減ってしまい、鼻の中を掃除する機能が衰えていきます。このことは簡単に病原菌の侵入を許してしまうことになり、ウイルスや細菌を除去する能力が落ちてしまいます。また味覚ほど極端な機能低下を示しませんが、嗅覚の能力も年齢と共に落ちていきます。 線毛は気管、気管支といったところにも生えていますが、こちらも粘膜細胞が存在しています。このため、加齢に伴って粘液分泌量が減少し、線毛運動そのものの作用も落ちてしまいます。痰はこの気道内から排泄されますが、上記の理由によりこちらもきちんと機能しなくなっていきます。また、このことが原因で呼吸器障害を招きやすくなります。 老化に伴って肺の機能も低下しますが、こちらは病気を招いたり、運動をした際によく問題が起こります。肺機能も加齢に伴ってその働きを低下させていきますが、それだけで日常生活に影響を及ぼすほどの差し障りがある訳ではありません。肺は酸素と炭酸ガスを入れ替える重要な働きを担っていますが、病気や運動などによって負担がかかるとこれに肺機能がついていけなくなり、結果として息切れだけでなく、痰が絡みやすくなったり、咳がよく出たりするようになります。