肝臓・門脈・肝動脈
体の中で一番大きい臓器が肝臓で、右胸部の若干下部、横隔膜直下に位置します。形状は正面から三角形に見え、重さはおよそ一キロ以上です。肝鎌状間膜で右葉と左葉に区分されています。門脈と冠動脈は肝臓の肝門から入っており、前者の血管は消化管から集められた栄養が通っており、後者は肝臓そのものを養う血液が通っています。この二つの血管からきた血液は肝臓において処理され混合され、それが肝静脈に送られて下大静脈へと流れていきます。
肝臓内には胆汁を集合させる管も見られます。管内胆管は肝臓内部を走っているもので、右肝管、左肝管から肝門へとつながります。総肝管は左右の肝管が合流したもので、十二指腸と胆嚢へとつながります。
肝臓では様々な組織から送られてきた血液を処理していて、要らなくなった物質の分解や栄養分の合成、それを溜め込んだり、解毒したりと色んな機能を担っています。数百に上る化学反応を行っている一方で、病気になってもなかなか症状が出現しません。このため、沈黙の臓器とも言われています。しかし、癌が発生して部分的に組織を切除しても、次第に回復するという優れた性質も持っています。