SOD/スーパーオキサイド・ジスムターゼと紫外線

生体が活動するには、糖質をはじめ脂質やたんぱく質を燃焼させる必要があります。また、エネルギーを産生するには酸素が必要不可欠です。人間は酸素を必要としますが、利用された酸素の大半は体外へ出て行きます。しかし、数パーセントという量で微量に酸素が体内へ残存し、これが活性酸素(かっせいさんそ)に変化します。変化したこの物質は、強い酸化力を持っているため、癌細胞を攻撃し、ウイルスや細菌を消滅させてくれます。多くの場合、活性酸素は害悪あるものとして解釈されがちですが、人間の体に必要なのも確かです。しかし、この物質は体内の害に対してだけ攻撃するのではなく、正常な組織をも攻撃してしまいます。結果として正常細胞をも酸化させてしまい、DNAを損傷させてしまいます。このことが人間の老いを早めてしまう原因と考えられており、細胞の新陳代謝がうまく行われなくなります。 こういった細胞の酸化を防ぐために、人間の体には抗酸化物質によって防御する仕組みがあります。例えばビタミンAやビタミンE、ビタミンCなどがよく知られています。しかし、中心となるのは体内で産生される抗酸化酵素です。この物質はSOD(スーパーオキサイド・ジスムターゼ)と呼ばれているもので、現在生活習慣病である糖尿病や心疾患、癌といった病にもこの酵素が影響していると考えられています。年齢を重ねるごとにスーパーオキサイド・ジスムターゼと呼ばれる酵素の体内での産生が減少します。このことが老化の速度を早めてしまう原因の一つではないかと指摘されています。 紫外線も老化に影響しており、多量に照射されるとDNAが損傷してしまいます。また、紫外線は人間の体の脂質を酸化させてしまうため、過酸化脂質を作ってしまいます。メラニン色素は過酸化脂質によって発生するため、これがシミの原因となります。更にこの光線は肌の弾力に影響を与えるものとして考えられており、つまりエラスチンやコラーゲンなどを壊してしまいます。結果として皮膚へシワを発生させます。