麹酸の発癌性

天然醸造は自然環境で発酵及び熟成させたもので、温度のコントロールを行っていません。ナマと表示されている味噌は乳酸菌及び酵母が生存したままで、大抵熱を加えて殺菌処理されていないと言われています。一般に味噌に対して用いる大豆は遺伝子組み換えが利用されていないと言われていますが、使用しているケースではその表示義務が発生します。また、疑われるケースでも不分別との表示をしなければなりません。遺伝子組み換えを一切用いていないケースでは表示してもしなくても構いません。通常、これらの表示がなされていない場合、遺伝子組み換え大豆は使われていないことになります。 動物実験の領域では味噌に癌を抑える作用があると報告されています。しかし、麹酸に発癌性があるとの指摘もなされています。その一方で、この麹酸は酵素と微生物によって分解されてしまうのではないかという見解もあります。いずれにしてもハッキリ解明されていないため、国も特に対処はしていないと言われています。 ところで味噌は用いられる麹のタイプやその配合比率、熟成させる期間、用いられる食塩量など地域によって独特のやり方があるため、醤油のようなJAS規格はありません。しかし、麹に大豆を使ったものが豆味噌であり、大麦を使った麦麹から作られたものを麹味噌、うるち米で生成したものを米味噌と分類しています。規格はないものの、JAS法の品質表示基準、食品衛生法由来の表示義務があります。