脱灰とミネラル

女性ホルモンが閉経に起因して減少することやカルシウム不足、ビタミンD不足、老化、運動不足などが骨粗鬆症の発症原因と言われています。しかし、これら以外がその原因としてあまり考慮されてこなかったのも事実で、更に骨の原料となるのはカルシムだけではありません。実は、上記以外にも骨粗鬆症を引き起こす原因は存在し、今まで話題にされてきた原因と同じぐらい大切なものです。 血中のカルシウムは常時、ある範囲の濃度を保っています。カルシウムのほとんどは骨に存在しており、微量のカルシウムが血中を流れていますが、こちらは細胞分裂や免疫反応、神経伝脱、筋肉収縮、ホルモン分泌などさまざまなことに関わっています。脱灰(だっかい)は、骨からミネラルが溶け出してしまう症状で、これは血中のカルシウム不足や骨の溶出及び再生バランス崩壊、血中成分の変動などの理由によって生じます。このことは、骨を構成しているカルシウムやマグネシウムを失うことにつながるため、容易に骨折を招いたりします。また、脱灰によって組織や血管壁などにカルシウムが沈着してしまうこともあるため、血管が硬くなったり、筋肉の動作に支障が出たりします。これを異所性石灰化と言いますが、他にも免疫機能のトラブルやホルモン分泌量の異常など多くの障害を招きます。 細胞の外側と内側には特定比率でカルシウムが存在しています。これは電気刺激を発生させる役目があるためで、細胞の内側に外側のカルシウムが一過性に移動することによってあらゆる情報が伝えられています。しかし、脱灰によってこのバランスが崩壊すると、さまざまな障害を引き起こします。重要なのはこの比率を調整しているマグネシウムです。