禿げとメラニン色素

毛髪は頭皮の奥ではほとんど色を持っていません。どちらかと言えば、無色に近くなっていますが、やや灰色っぽくもなっています。ただ、この灰色の部分にメラニン色素が多量に含有されていることから、皮膚の上に髪が伸びてくると色がつきます。色がつくのは紫外線に照射されるためで、日本人では茶褐色になっているようです。これが集まって頭髪全体では黒くうつります。 毛母にはケラノサイトと呼ばれている色素細胞があります。メラニンはこの組織によって生成されていますが、摂取する食物からヨード、アミノ酸といった栄養素が十分得られなくなるとこのメラニンは不十分になります。というのは、メラニンを作り出す材料がヨードやアミノ酸となっているためで、メラニンが不足すると白髪が生えてきます。これは若年層でも例外ではありません。 ケラノサイトは年齢と共に少なくなっていくため、加齢に伴って徐々に白髪が増加してしまいます。しかし、ケラノサイトに障害がなければ、メラニン生成のための栄養素を補給することで髪の毛は黒くなっていきます。栄養素として必要なのは昆布や若布に含有されているヨードなどですが、昔からこれらの海藻類が頭の毛に有効とされてきたのは、こういう理由があったためです。しかし、海藻類が禿げに効果があるという考え方は、科学的な根拠はありません。 尚、抜け毛は動脈硬化によって毛細血管が狭窄することに起因すると言われています。これは血管が狭窄することで本来毛髪に送られるべき栄養素がそこへ運ばれなくなるためで、栄養が不足した分毛髪は成長できなくなります。こうなると地肌が見えるようになってしまい、髪の毛の量も減少してしまいます。