加工助剤/スズメッキ

水酸化ナトリウムと塩酸は中和されたら食塩と水に変化します。みかんの缶詰を作る工程で塩酸と水酸化ナトリウムの希釈液が利用されますが、これはミカンのじょうのう膜を取り除くためです。じょうのう膜は柔らかくなるため、水を用いて洗浄したら、上記希釈液は残りません。加工助剤はこういった製造する際に用いられるもので、製品化した時点で残らないものを言います。このため、加工助剤は商品に表示されていません。 果物に用いられる缶詰にはブリキ缶が通常使われています。これはスチールにスズメッキした容器でありますが、一般の缶ジュースにはスチール缶の他、アルミ缶が用いられています。問題なのはスズの毒性ですが、開封していない場合、溶出量もごく僅かだと言われています。また、通常スズが体内に入ってもそれが取り込まれず体外へ排泄されるため、蓄積に対する危険性はないと考えられています。しかし、開封してしまうと大気にスズが接触するため、これによって溶出量も増加します。良く余った分を冷蔵庫などにそのまま保管しているケースを見ますが、缶詰の中に入れたままだと溶出も早くなってしまうため、中身を別の容器に入れ替えることが推奨されます。尚、スズメッキのブリキ缶は世界中で利用されていますが、これには理由があります。というのは、この容器を利用することでビタミンCの消失を抑制するだけでなく、フルーツの風味や食味、色彩などを変えてしまわないようにする効果があるためです。特に新鮮な果物にはさまざまな価値があり、傷みを防ぐ缶詰などは、それを保護するのに優れていると言えます。