糖質制限食

近年、糖尿病の発症にトランス脂肪の影響が指摘されています。リスク要因には幾つか知られていますが、しかしこの成分だけで30パーセント以上もそのリスクを高めると示唆されています。通常、糖尿病と言えば一型と二型に分類されますが、近年ではこれらに分類するのが困難とされる型も出現しています。しかし、糖尿病の多くは二型と診断されるケースが多く、食生活や運動不足などを要因にして血糖値の調節がうまく行われなくなったために発症します。一型の方は、遺伝性に起因してこの調節がうまく行われないもので、全体の数パーセント程度と考えられています。また、別の疾患に起因して発症しているのは20パーセント程度だと言われています。ただ、これらをハッキリ分類する必要性があまりないとも指摘されており、これは全ての糖尿病において共通点があるからです。 治療方法としてはカロリー制限が一般的です。そのため、糖質制限食(とうしつせいげんしょく)ばかりに目がいき、糖質代謝に重要な微量栄養素であるビタミンB群や亜鉛、クロム、マグネシウムといったものが不十分となります。このことは悪化したインスリン作用を改善させないだけでなく、更に糖尿病を悪くするとの指摘がなされています。現在の治療方針としては、蛋白質と脂肪に対してはあまり制限を設けず、糖質を産む米などの主食に対しての制限が推奨されています。これが最も効果があるとの認識から薦められている傾向にありますが、専門家の間ではこれを否定する意見も見られます。というのは、糖尿病は炭水化物が原因であるため、これを極端に制限することで改善するとする意見と、こういった制限による改善は一過性のものであって、再発リスクは全く消失せず、更に本疾患とは別の疾患を併発させてしまうリスクをも上昇させてしまうという意見などが対立しているからです。