SRSV/小型球形ウイルス/貝毒

潮干狩を目的に行楽などで貝類の採取がよく行われています。SRSVは小型球形ウイルスのことで、近年注意が呼びかけられており、このウイルスに由来する食中毒では、発熱や嘔吐、下痢、腹痛などを生じます。かつてその原因がはっきり分かっていませんでしたが、厚生労働省の研究で明らかになりました。主に生牡蠣へ溜まってそれを食して発症する場合が多くなっていますが、生牡蠣だけではなく普通の二枚貝にも同じようなことが起こります。現在、SRSV患者の数は増加傾向にあります。そのため、牡蠣だけでなく二枚貝においても調理する際は、真ん中まで十分に火を通すことが重要となります。また、生鮮野菜なども二次汚染を防止する意味で、洗浄を心がけ、手も十分に洗うことが大切です。 貝は国内での需要も高く、多くの人に食されています。これは日本のあちこちで貝塚が見つかっていることでも明らかです。昔から、日本人にとっては必要不可欠な食物だったと考えられます。問題なのは、通常の貝が毒化することで、これには原因があります。アサリや蜆などの二枚貝は、プランクトンを食物としていますが、このプランクトンに有害なものがあります。二枚貝がこれを食べたときに毒化してしまうことは良くあることで、いわば自然現象と言えます。貝の毒には麻痺性のものもあり、その害は河豚の毒に及ぶものもあります。現在、毒化した貝が流通しないように対策が行われていますが、これは貝類の毒を一定期間ごとに調べているからであって、定められた場所とは異なる所で獲った貝に対しては確実な安全性が認められません。通常の流通経路では、貝毒による被害はありませんが、それ以外で入手したケースでは中毒による事故が発生しています。そのため、貝類を採取する際は管理されている所で行うことが大切です。