よく似た寒天/ペクチン/カラギーナン/ゼラチン

近年、高齢者やお子様のいる家庭で死亡事故が見られるようになった一口ゼリーですが、この原料はグルコマンナンと呼ばれている成分です。こんにゃく粉に含有されている物質で、これに糖質や果汁などを添加し、凝固させたものを商品化したものです。ゼリーはもともとお菓子として定着していますが、エネルギー量があまりないことからダイエットなどには適した食品と言えます。 通常ゼリーは食べるとポヨポヨしていて特有の食感を持っていますが、これを引き出しているのがゲル化剤と呼ばれるものです。この物質は寒天(かんてん)やペクチン、カラギーナン、ゼラチンなどで広く知られており、冷却すると凝固する性質を持っています。 寒天はその多糖類を利用したもので、オゴノリや天草から抽出しています。ペクチンも多糖類のことで、柑橘類が抽出対象となっています。またリンゴなどからも抽出されており、いわゆる天然成分であるため体に悪影響はありません。カラギーナンは紅藻類であるツノマタやスギノリを用いたもので、こちらも多糖類です。問題はゼラチンですが、その原料の一つになる牛の骨などが懸念されます。というのは、BSEで取り上げられているようにその安全性はやはり心配されています。ただ、オーストラリアや北米産の牛はBSEが認められていないため、こういった国々から輸入されるに至っています。ゼラチンはたんぱく質の一つであるコラーゲンを用いており、この物質は生物の骨だけでなく皮などの組織にも多く含有されています。一般には牛の骨を粉砕したものがアルカリ処理されます。そしてこれを水で洗浄し、ゼラチン抽出を温湯で行います。出来上がったものへ更に手を加えて質を高め、濃縮し殺菌します。その後乾燥させたものが完成品となります。