未精製塩
ほぼナトリウムのみを含有する精製塩に対して未精製塩はあらゆるミネラルが含有されています。こちらは海水から直接水分を除去しただけのものであって、特にカルシウムやカリウム、マグネシウムといったミネラルを含有している点は注目すべきところです。これらは電解質ミネラルと言われているもので、中でもカリウムとマグネシウムは細胞内で必要とされる成分です。これらのミネラルは細胞の外側と内側の水分をコントロールするのにとても大切な物質です。ただ、未精製塩の多くも精製塩と同様に塩化ナトリウムで構成されているため、比率で見ると上記で言うところでのミネラル含有量が少ないのも確かです。しかし、短期間ではなく長期間で見ると何らかの健康状態への影響が出てきても不思議ではありません。
細胞内の水分は加齢に伴って減少していく上に、摂取される食事も年齢とともに変化していくのが通常です。栄養面からもその質の低下を否定することは出来ず、お年寄りではカリウムやマグネシウムといった栄養素に不足が生じるのは当然と言えます。これらの成分は細胞の水分調節に必要なものですが、ナトリウムが尿として排出される際には、同時にカリウムも排泄されてしまいます。即ち、ナトリウムが過剰に摂取されているにも関わらず、カリウムの摂取量が少ないと、もともと不足しているカリウムがナトリウム排泄に従って共に排泄されるため、持続的なカリウム不足を招くことになります。このことは、高血圧を引き起こす危険性を更に上昇させることにつながります。
また、ナトリウムの過剰摂取の問題では、グルタミン酸塩や安息香酸塩、リン酸塩、亜硫酸塩、亜硝酸塩といった食品添加物も懸念されます。これらの成分はいずれもいわゆるナトリウムを含有しています。食品添加物は多くの加工食品に用いられていますが、基本的に現代の過剰な塩分摂取はこういった食品によるものが多いと言われています。つまり、加工食品を除く、豆類や野菜、果物を中心に食事をしていれば、過剰な塩分摂取から高血圧を招くといった現象はほぼ起こらないと言われています。尚、減塩食を気にして、味噌汁を避けるといった方も見られますが、この味噌汁はカリウムとナトリウムをバランスよく含んでおり、しかも様々な栄養素持っているため、とても栄養価の高い優れた食品です。