うまみ成分

グアニル酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムを組み合わせて用いた場合、その表示は調味料としてアミノ酸等となります。一方、グルタミン酸ナトリウムのケースではアミノ酸と一括表示されます。食品に対して調味料を用いている場合、「調味料」と一括表示されていますが、この調味料にアミノ酸だけを用いているケースでは「調味料」の表示と共にアミノ酸を括弧内に付け加えます。つまり、調味料(アミノ酸)となるわけです。しかし、複数の調味料を使うこともあるため、この場合、(アミノ酸等)を付け加えます。 グルタミン酸は昆布の主な旨み成分ですが、これを工業的に製造しているものもあります。グルタミンの生産菌は、発酵容器内で原材料となる糖蜜などを入れて生成しており、中和してグルタミン酸ナトリウムにして溶解しやすくしています。いわゆる「うまみ成分」は他にもグアニル酸やイノシン酸があります。これらを併用して混ぜ合わせると更に旨みが引き立てられます。 種類としてはアミノ酸の他、有機酸や無機塩、そして核酸があります。アミノ酸は動植物たんぱく質の加水分解物に含有されているもので、昆布のグルタミン酸ナトリウムが代表的です。有機酸は、鶏がらや貝類などで、前者はクエン酸ナトリウムです。後者はコハク酸類であり、蜆やアサリなどに含有されています。無機塩は、塩味を有し、食塩の代用としてその味を補強する目的で用いられます。核酸は椎茸や鰹節などに含まれているもので、前者はグアニル酸ナトリウムのことです。後者ではイノシン酸ナトリウムのことを言い、これらが旨み成分を構成しています。尚、かつて子供の脳へこういったうまみ調味料が害悪を与えるのではないかという指摘がなされていたこともありますが、ハッキリとしたことは分かっていません。ただ、現在の食品市場からそれを除去するのは無理な問題であって、また、殊更問題視するものではないとする意見も聞かれます。