消泡剤
油を用いて揚げる際、多くの泡を発生させることがありますが、これを早急に消滅させるのが消泡剤(しょうほうざい)と呼ばれているものです。泡はフライやてんぷらなどの油揚げだけでなく、ウイスキーの発酵過程や果実ジャムを作る際の濃縮の際、大豆の蒸し煮といった工程を踏む豆乳及び豆腐の製造の時にも発生します。また、蒸留の過程を踏む蒸留酒を造る際にも出現します。
油を使って揚げる場合は特に水を多く含有する野菜などが問題となります。水分は、温度の高い油に入れると、蒸発が突然起こります。その際、多くの泡が出現し、それと共に周りへ高温の油が飛散することになります。通常の家庭では、泡を特に問題とすることなく、注意しながら火事や火傷をを負わないように気をつけています。しかし、これが工場などの大規模な設備で行われた場合、火事や火傷のリスクが高まるため、通常は揚げ物をする油に消泡剤が加えられています。これは、なかなか消失しない泡の発生を防ぐだけでなく、火の通りもまんべんなくできるようにする目的も含まれています。
豆腐を製造する際にも同じことが言え、当然泡が沢山発生していては良質なものを作ることが出来ません。たんぱく質は豆腐にも沢山含有されていますが、特にその原料となる豆乳は問題です。たんぱく質は熱を加えた際に、多くの泡を発生させるためです。泡が発生すると、沢山の鬆(す)が発生し、これが味の質を落とします。また、ムラがあって均等でない蒸し方になってしまうため、これも味を悪くさせてしまいます。