砂糖と肥満

現在、昔と異なりテレビや自動車の普及によって体を動かさなくなったと言われています。摂取カロリーが減少傾向にあると言われていますが、肥満者は急増傾向にあります。これは運動をしなくなったためと考えられていて、甘いものの過剰摂取が原因でないことを示しています。興味深いものでは、砂糖を摂取することによって肥満を引き起こす確率が高いのかどうかというものがあります。研究報告では脂肪の過剰摂取による肥満の方が多く、砂糖による肥満は少ないといったものがあります。これは、満腹中枢を刺激するブドウ糖が理由となっていて、このブドウ糖が満腹中枢を刺激することで、余分と判断された他の食物の摂取に抑制作用が働くからだと考えられています。ただ、食欲のコントロールにはセロトニンなども関与していると言われているため、ブドウ糖のみが摂食を抑える訳ではありませんが、それでも肥満を防ぐ作用もあるとされています。このため、肥満の原因は、運動や基礎代謝などによる消費カロリーを摂取カロリーが上回ってしまうことが一番の理由となっていて、甘いものが肥満を招くのではないとされています。 ちなみに人間の脳は、ブドウ糖がなければ活動できません。通常、人間の体はこのブドウ糖をエネルギーとしますが、このブドウ糖が体内になくなると、今度は脂肪や脂肪酸、ケースによってはタンパク質を分解してエネルギーに転換します。また、細胞膜には、ブドウ糖を細胞内へ取り込むための輸送体が存在しますが、この輸送体は通常、インスリンが分泌されないと細胞膜に現れません。筋肉を動かすことによっても輸送体は現れますが、糖尿病の方はインスリン分泌が減少しているため、すぐに高血糖を引き起こしてしまいます。インスリン注射などを行っている方は兎角、低血糖を引き起こしやすく、意識を失ってしまうこともあります。これは、脳がブドウ糖を貯蔵できないためで、甘いものを摂取すると意識が戻ります。