乳糖とガラクトース
砂糖と化学的に良く似ている乳糖(にゅうとう)は、乳に含まれている糖のことを言います。一分子ずつの果糖及びブドウ糖が結びついたものがいわゆる砂糖ですが、ブドウ糖にガラクトースが結びついているのが乳糖です。このガラクトースは果糖の代わりになるもので、名称の由来は乳糖の意味を有するラクトースからきています。また海藻類や寒天などに含有される糖質の成分を構成していることもあります。連翹(れんぎょう)の花粉の内部に乳糖を含有していることもありますが、この成分はほぼ乳にだけ認められるものです。甘味は砂糖よりも弱く、砂糖に比較するとおよそ25パーセントぐらいのものと言われています。
赤ちゃんは母乳を栄養素とするのが一般的ですが、乳糖はビフィズス菌を増加させるために必要です。ビフィズス菌は赤ちゃんの腸内の大半の細菌を構成しており、乳酸菌の一種となります。この菌が腸からの感染を防止していると言われています。乳の糖質がどうして乳糖なのかハッキリ分かっていませんが、哺乳動物の赤ちゃんには非常に大切な糖です。ガラクトースは乳糖の二分の一を構成している成分であり、脳及び神経に存在しています。このことから脳や神経の発育に影響しているのではないかと考えられていますが、明確にはなっていません。これはブドウ糖から体内でガラクトースを合成できるためで、乳糖が存在しないと脳や神経の発育が停止するというものでもないと考えられていることに由来します。
尚、ラクトースは英語で乳糖を意味しますが、ギリシャ語ではガラクトが乳を意味します。また、ラテン語でラクトというと乳のことを指しています。