防カビ剤

カビには発がん性を有するものもあり、衛生面においても安全性を欠きます。世界からは様々な食品が日本へ輸入されていますが、中でも果実であるオレンジやバナナなどが例としてあげられます。通常、これらの食品は、貯蔵と輸送によって、日本へ輸入されるには長い時間かかることになります。その間にカビが生じることも多々あります。また腐ることによって廃棄処分になったり、そうならなくても見た目や風味が落ちてしまいます。現在、国際化によって様々な輸入食品を食べれるようになっていますが、これは防カビ剤(ぼうかびざい)を用いているためです。紙片に防カビ剤を浸潤させて、それを食物を入れている容器の中に入れるわけですが、これによってカビによる害悪を防いでいます。 種類ではフェニル系とその他があります。前者は柑橘類に利用されるオルトフェニルフェノール及びそのナトリウムがあります。オレンジやグレープフルーツ、レモンなどではジフェニルが用いられます。後者では、イマザリルやチアベンタゾールがあり、いずれもバナナや柑橘類に使われます。ジフェニルはベンゼン熱分解脱水素から作られるもので、別名ではビフェニルと言われています。揮発性が高く、水に溶けない性質を持っています。その他、イマザリルはイミダゾールとジクロルベンゼン誘導体の反応から発生します。防カビの作用は非常に強く、水に溶けません。チアベンダゾールはカルボキシアミドとジアミン誘導体の反応から生じます。様々なカビに有効であり、水に溶けない性質になっています。オルトフェニルフェノールは原料がフェノールであり、シクロヘキセンとの反応から造られています。尚、通常、防カビ剤を果物の果皮などに吹き付けて用いますが、ジフェニルは防カビ剤を紙にしみこませて、それを容器の中に入れて使います。