入浴で体温を上昇させると?

体内にある有害物質や老廃物質を外に出して、血行を良くする方法では入浴があります。近年、シャワーだけ浴びて浴槽に入らない人が多いと言われており、これが習慣的に行われている傾向にあります。そのため、若年層でも生活習慣病を引き起こしたり、低体温を招いたりしていることが問題視されています。もともと入浴そのものは体を綺麗に清潔にするのが目的で日常的に行われている行為ですが、他にも様々な効果があります。 まず代表的なのが血行促進であり、これは入浴による温熱効果からもたらされる血管拡張作用によるものです。栄養素や酸素などは筋肉や内臓などあらゆる組織に供給されていますが、湯舟につかることによってその量が増加します。すると、老廃物や有害物を蓄積させた細胞や組織からこれらのものが次々に腎臓や肺などを経由して外部へ排出されます。その結果、組織が綺麗になり、血液の汚れが除去されていきます。また、湯舟につかることで心臓へ下半身の血液が移動する傾向にあるため、心臓の血液の排出量も増加します。これは水の重さに由来する静水圧による圧迫からもたらされるもので、心臓への還流から腎臓の血流量も多くなります。このことが排尿を促し、血液の汚れを取り除きます。更に、体温上昇から白血球の貪食作用が亢進するため、血中の要らない物質がどんどん消却され、血液の汚れがなくなっていきます。その他、酵素であるプラスミンも増えることから、血栓の溶解作用を高めます。 尚、湯舟につかることは心身をリラックスさせるため、β-エンドルフィンと呼ばれる脳内快感ホルモンが放出されやすくなります。このため、副交感神経が亢進し、延いては体温上昇から血行が改善されます。また、排尿が促進され、汗も沢山出て血液の汚れが取り除かれていきます。その他、肌を洗浄することから、汗腺や皮脂腺も綺麗になります。汚れが除去されると、これらの腺から分泌物がすんなり排泄されるため、血液浄化につながります。